NGSデータ解析まとめ

サカナ研究者の手探りNGS解析(おもに進化生物学)

blasrのインストール(cmakeを使用する)

ずいぶん久しぶりの更新(100日振り!)。でも忘れているわけではないのです・・・
Linuxubuntu 16.04 LTS)にblasrをインストールした。いろいろ苦戦したので、方法の簡単なメモを残しておく。
blasrについては、以前も別のコンピュータにインストールしことがあるが、その時といろいろ違っていたので、改めて記録しておく(またすぐに方法が変わる可能性もあるけれど・・・)。

今回は、前回とは異なり、cmakeを使う方法でインストールした。普通にmakeを使う方法は、自分の環境ではうまく行かなかった。

(1) 下準備
最初に、blasrはPython 2.7で動くので、LinuxPythonが3系になっている場合は、2.7にしておく。以下を参照。
Phython3.6をインストールして切り替える - NGSデータ解析まとめ

cmakeをインストールする。以下のサイト参照にした。普通にapt-get installで問題なくインストールできた。
次に、Ninjaをインストールする。以下のコマンドによる。

sudo apt-get update
sudo apt-get install ninja-build

次に、BOOSTをインストール。このサイトを参照に、sudo apt-get install で普通にインストールできる。
さらに、htslibをインストールする。Githubから最新版をダウンロードしてコンパイルする。

(2) HDF5(libhdf5)のインストール
blasrをコンパイルするために、HDF5が必要なのでインストールする。また、Ubuntu 16.04の場合は、このサイトを参照に、libhdf5をインストールでいいと思う(たぶん)。

以下のようにする。

sudo apt-get install libhdf5-dev

(3) blasrのインストール

インストール方法は、以下のサイトを参考にした。
blasr/INSTALL_CMAKE.md at master · PacificBiosciences/blasr · GitHub

まず最初に、適当なpath(ここでは/home/hashi-linux2/)に"blasr_install"ディレクトリを作成し、gitでblasrをダウンロードする。ダウンロードした"blasr"ディレクトリに入る。

mkdir blasr_install
cd blasr_install
git clone https://github.com/PacificBiosciences/blasr.git --recursive
cd blasr

次に、gitでディレクトリ内容のアップデートを行う。

git submodule update --init --remote

ここで、cmake & ninjaによるcompile, buildを行う。

mkdir build && cd build    # build ディレクトリの作成、その中に移動
cmake -GNinja .. && ninja    # compile & build

うまくコンパイルが終了したら、ディレクトリ内に"blasr"のバイナリができる。ここでエラーが出る場合、メッセージにしたがって必要なライブラリをインストールしたりする必要がある。今回、特に引っかかったのは、このサイトにあるタイプのエラーで、このエラーが出た場合、"build"内にできたすべてのファイル、フォルダを削除して再度compileを行うとうまくいった。

ここまでできたら、今度は環境変数LD_LIBRARY_PATHを設定する。以下をターミナルに入力する。また、設定ファイル.profileにも書いておく(LD_LIBRARY_PATHは、それぞれの環境によって異なるので、適宜書き換えて下さい)。

export LD_LIBRARY_PATH="/home/hashi-linux2/blasr_install/blasr/libcpp/alignment:/home/hashi-linux2/blasr_install/blasr/libcpp/hdf:/home/hashi-linux2/blasr_install/blasr/libcpp/pbdata:/usr/lib/x86_64-linux-gnu/hdf5/serial/:/usr/local/lib/"
# メモ:最後の/usr/local/lib/は"libhts.so.2"の位置(環境によって場所は異なる)

動作確認のため、以下のコマンドを入力する。

./blasr --version

これでusageのメッセージが出れば、compileがうまくいっているので、以下のコマンドでインストールする。

sudo ninja install

これで終了! やれやれ。